ニュースリリース
2007年12月05日
インプレスグループで法人向け情報コミュニケーション技術関連メディア事業を手掛ける株式会社インプレスR&D(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井芹昌信)、およびモバイル・コンテンツ・フォーラム(事務局:東京都渋谷区、座長:東邦 仁虎)は、最新の携帯電話利用動向を詳細に解説する書籍『ケータイ白書2008』を、12月5日(水)に発売いたしました。
『ケータイ白書』は、独自のユーザー調査と専門家の寄稿により、インターネット化、オープン化が進む携帯電話市場の動向を解説し、今年で4年目になります。2008年版では25人の専門家による、Googleが発表した話題のプラットフォーム「Googleアンドロイド」の取り組みや、上陸まもないといわれるiPhoneの影響、WiMAXの動向、オープン型のビジネスモデルを目指して総務省のモバイルビジネス研究会が打ち出した業界活性化プランの解説など、2008年以降の携帯電話業界を展望する最新の動きを網羅しています。
また、個人の利用動向では、携帯インターネットを利用しているユーザー2000人を対象に詳細な利用実態調査を実施し、パケット通信定額制加入・非加入別およびキャリア別、性年代別の分析を軸に、250点以上のグラフとしてまとめました(*1)。
さらに、モバイル・コンテンツ・フォーラムによる3G・パケット定額制の市場予測や、今年初めて企業での法人利用実態調査および企業のモバイルウェブサイト開設状況調査、そしてスマートフォン利用実態調査についても掲載しています。
(*1) 調査設計・分析:株式会社インプレスR&D インターネットメディア総合研究所。調査対象:携帯電話やPHSでウェブサイトの閲覧やメール利用を行う11歳以上の男女個人。対象地域:全国。調査手法:携帯電話上でのインターネット調査(携帯電話のみでのインターネット利用者)およびパソコン上でのインターネット調査(携帯電話・PHSとパソコンの両方の機器でのインターネット利用者)
■2009年3月にパケット定額制は50%に達すると予測、3.5Gも市場の35%を占め普及期に突入
2007年9月時点の3G契約は7,920万件(*2)ですが、モバイル・コンテンツ・フォーラムでは、2009年3月に3Gは1億450万契約と携帯電話市場全体の96%を、3.5Gは35%を占めるまでになると予測しています。また、パケット定額制契約数は2007年9月時点で3,090万(*3)となり30%を超えましたが、2009年3月には5,462万契約と、携帯電話市場の50%にまで達すると予測しています。
(*2) 社団法人電気通信事業者協会発表
(*3) 各社資料を参考にモバイル・コンテンツ・フォーラムで推計
■キャリアの満足度はauが1位、キャリアの契約変更の理由は料金を安くするため
現在の通信サービス会社の満足度をキャリア別にみると、「満足している」「まあ満足している」を合わせた比率はauが85.6%と最も高く、ドコモの67.9%、ソフトバンクの62.4%を引き離しています。今後通信サービス会社を乗り換える予定の人にきいた乗り換え先でも、auが28.2%とトップで、ドコモ20.1%、ソフトバンク14.8%と続きます。契約変更の理由は、「通話料金が安くなるから」が全体の35.4%、次いで「通信(パケット)料金が安くなるから」20.4%と、料金重視でキャリアを選択していることがわかります。特にソフトバンクに乗り換えたいユーザーでは「通話料金が安くなるから」が57.8%で突出しており、auに乗り換えたいユーザーでも40.2%が「通話料金が安くなるから」と最も高くなっています。一方、ドコモに乗り換えたいユーザーでは、「機種の性能が良いから」が27.6%で高くなっています。
■端末購入時に今後重視したい機能は「高画質な液晶ディスプレイ」が1位、ワンセグのニーズも高い
現在利用している機種を購入するときに重視した機能は、「カメラ機能」が36.3%、「高画質な液晶ディスプレイ」が28.1%、「音楽が聴ける機能」が14.9%でトップ3となっています。一方、今後購入の際に重視したい機能では、「高画質な液晶ディスプレイ」が39.3%、「カメラ機能」37.8%、「ワンセグ対応機能」28.7%がトップ3となっており、「ワンセグ対応機能」のニーズが高まっていることがうかがえます。
■インセンティブモデル廃止論への関心度26.4%、SIMロック解除への関心度19.7%、割賦金割引制度の利用意向は13.6%
総務省のモバイルビジネス研究会で携帯電話業界再編のために議論されていた話題について、ユーザーに関心度をきいたところ、端末料金をキャリアが補助する「インセンティブモデル」廃止論に「関心がある」と答えたのは26.4%と、4人に1人が関心を持っていることがわかりました。現在の端末を他キャリアでも利用できるようにする「SIMロック解除」に「関心がある」のは19.7%。端末料金を分割払いする割賦販売の利用状況に関しては、利用したことがあるのは11.5%で、制度開始後にソフトバンクやウィルコムの端末を購入した人の8割に相当しますが、54.8%が「知らない/わからない」と答え、利用意向も13.6%にと留まりました(*4)。
■検索サービス利用者のうち、高頻度利用者は34.6%、「ほとんど毎日」利用するのは12.2%
携帯電話の検索サービスの利用率は、全体の72.8%となっています。利用する携帯電話・PHSの検索方法は、「トップメニューにある公式の検索サイト(iサイト検索、EZトップメニュー検索、Yahoo!ケータイ検索など)」が62.5%を占め、それ以外の検索サイト利用者が10.3%となっています。検索サービス利用者における利用頻度は、「ほとんど毎日」が12.2%、「週に4~5回」が8.1%、「週に2~3回」が14.3%で、これらを合計した比較的利用頻度の高い利用者は34.6%となり、検索サービス利用者の3分の1以上を占めます。検索サービスはユーザーのコンテンツの利用導線を変化させ、キャリアの公式サイトと一般サイトの区分をあいまいにすることから、今後の影響が注目されます。
■「無料サンプルやお試し期間を利用した後、有料登録することが多い」が29.0%
ウェブサイトやコンテンツ利用者における有料コンテンツの利用率は32%を占めています。現在利用している有料コンテンツの数は「1個」が37.8%と最も高くなっており、全体的には無料コンテンツのほうが多く使われているものの、お試しコンテンツ利用後の有料コンテンツの利用状況は、「無料サンプルやお試し期間を利用した後、有料登録することが多い」が29.0%で、「無料サンプルやお試し期間のみで満足することが多い」の16.3%を上回っており、無料コンテンツ利用が有料コンテンツ利用を喚起していると考えられます。
■プロフの利用率は7.1%で10代が中心、動画投稿サービスはコメントしたことがない視聴のみの利用者が86.6%
今年初めて自分のプロフィールを紹介する記入式ウェブサイト「プロフ」と動画投稿サービスの利用率についてききました。「プロフ」の認知度は全体では41.4%、女性10代で65.5%、女性20代と男性10代~20代で51%となっており、若年層には定着していることがわかります。利用状況は7.1%で認知者の17%となっており、利用者は10代が中心(10代男性12.9%、10代女性29.2%)です。携帯電話・PHSによる動画投稿サービスの認知度は68.7%で利用率は11.9%となっています。利用者の利用方法をみると、「投稿したことがある」のは12.2%で、コメントしたことがない視聴のみの利用者が86.6%と大半を占めます。
(*4) 本調査はドコモの新料金プラン発表直前に行っている
■データ通信サービスの業務利用率は26.5%、定額制の利用意向は33.9%
企業における業務への携帯電話・PHSの利用状況は、音声端末が87.3%、データ通信カードが26.5%となっています。パソコンを利用するためのデータ通信カードは小規模事業者ほど低くなっており、業務利用における音声端末の役割が大きいことがわかります。定額制データ通信サービスの利用意向をみると、「すでに利用している」「ぜひ利用したい」「利用したい」を合わせると33.9%で、「どちらとも言えない」の33.7%や利用意向のない企業の24.8%を上回っており、業務利用においてもデータ通信の定額制が望まれていると言えます。
■消費者をターゲットとしたモバイルウェブサイトが78.2%、約半数が効果を実感
モバイルウェブサイト担当者にきいた、モバイルウェブサイトのターゲットは、「消費者向け」が78.2%、「企業向け」が27.6%、「社内向け」が12.8%となっています。モバイルウェブサイトの効果の有無をみると、「非常に効果がある/役に立っている」と「効果がある/役に立っている」を合わせると、約半数の企業が効果を認めていますが、「どちらとも言えない」が30.2%と、判断できない企業も多いと考えられます。さらに、モバイルウェブサイトで実施しているアクセス誘導対策は「SEO」が27.4%、「会員登録してもらった人へのメールマガジンの配信」が20.0%、「検索連動型広告の出稿」が15.2%となっています。
発売日:2007年12月5日
仕 様 :A4変型判/336ページ/CD-ROM 1枚付属
定 価 :[本体6,800円+税]
発 行 :株式会社インプレスR&D
発 売 :株式会社インプレスコミュニケーションズ
ISBN :978-4-8443-2490-4
本書独自調査データのグラフ画像(GIF形式)全264点を収録したCD-ROM付属。収録データは、出所を明記すれば、個人のレポートや社内文書、社外へのプレゼンテーションなどに自由にご利用いただけます。