インプレスグループで法人向け情報コミュニケーション技術関連メディア事業を手掛ける株式会社インプレスR&D(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井芹昌信)は、6月8日、最新のインターネット利用動向調査の結果を発表いたします。
インターネットは今や、私たちの生活、ビジネスに欠かせないものとして定着していますが、この1年で、パソコン、携帯電話に加え、スマートフォンや電子書籍リーダー、iPadなどの新しいデバイスが次々に登場し、利用傾向が大きく変わろうとしています。また、Twitterなど新たなソーシャルメディアの急成長や、LTEの商用化に向けた動き、サービスのクラウド化など、通信・デバイス・コンテンツを含めた構造変化が起きています。
インターネットメディア総合研究所では、そうした激変する状況を把握するため、個人利用者約3200人、企業ウェブサイト担当者約1900人、企業のネットワークおよびソフトウェア担当者約2500人に向けた詳細な利用実態調査を実施しました。特に、個人の利用動向は、利用するインターネットデバイスとその利用時間によって、スマートフォン派、パソコン派、携帯電話派などに利用者を分け、コンテンツの利用の傾向の違いなど詳細に分析しています。なお、調査はウェブアンケートにより行い、代表性を確保するため、株式会社インプレスR&Dが保有する年代・性別、業種・従業員規模などのデータをもとにサンプルを調整しています。
本調査結果の一部は、財団法人インターネット協会監修、インターネットメディア総合研究所編の『インターネット白書2010』にまとめ、株式会社インプレスジャパンから6月17日(木)より発売するほか、『インターネット白書2010』には掲載できなかった設問やさまざまなクロス軸に基づくエクセルの数表とグラフをCD-ROMに収録した『インターネット利用動向調査2010』を株式会社インプレスR&D から6月9日(水)より発売いたします。
<< 個人利用動向 >>
■スマートフォンでインターネットをよく利用する「スマートフォン派」は3.6%、20代~30代の男性が中心
本個人調査はパソコンによるインターネット利用者を前提としていますが、インターネットを利用する端末は、パソコンのほかに、携帯電話が64.3%、スマートフォンは5.9%、その他のデバイスは40.1%となり、インターネット利用デバイスは多様化していることがわかります。
利用するインターネットデバイスとその利用時間によってユーザーのメイン端末を区分すると、スマートフォンの利用が多い「スマートフォン派」が3.6%、「携帯電話・パソコン併用派」が13.7%、携帯電話の利用が多い「携帯電話派」が13.5%、「パソコン派」が32.9%、「その他のデバイス派」が3.1%、デバイスにかかわらずインターネット利用時間が短い「低利用層」が33.1%という結果になっています。スマートフォン派は20代や30代の男性が中心です。反対に、携帯電話派は女性の比率が高く、10代から30代の女性が中心となっています。
■Twitterなどのマイクロブログの利用率が昨年より8.3ポイント増の9.7%に上昇、スマートフォン派では42.5%が利用
ブログを中心に拡大してきたソーシャルメディアは昨年の段階で成長が一旦落ち着いた状態となっていましたが、Twitterのブレイクもあり再度成長を見せています。
Twitterに代表され短いフレーズで情報発信するマイクロブログの利用率は9.7%となり、昨年の1.4%から8.3ポイントの大幅な上昇となっています。特に、スマートフォン派では利用率が42.5%、携帯電話パソコン併用派では19.1%と高くなっています。
マイクロブログ利用者が利用しているサービスは、「Twitter」が92.8%、「mixiボイス」が29.6%、「Amebaなう」が13.1%となっており、Twitter利用者は調査対象者全体の9.0%にあたります。
■SNS利用者の45.4%がソーシャルアプリを利用、インターネット利用全体の9.6%を占める
海外に続き、日本国内でも2009年夏からSNS事業者がプラットフォームのオープン化を進めており、利用者とともにソーシャルアプリに関連するビジネスも拡大しています。ソーシャルアプリの利用率は、SNS利用者の45.4%となっています。SNS利用者は全体の21.3%ですので、ソーシャルアプリ利用者は調査対象者全体の9.6%にあたります。性年代別にみると、10代から30代の女性の利用率が30%を超え、男性20代も29.3%と高くなっています。よく利用するソーシャルアプリのジャンルは、「育成ゲーム」(70.8%)、「学習・クイズ」(46.4%)、「シミュレーションゲーム」(45.8%)、「パズル」(35.4%)の順です。
■iPadの認知度は85.1%、24.6%が新たなプラットフォームにおける電子書籍に興味あり
米国ではアマゾンのKindleを中心に電子ブックリーダー市場が確立し、出版業界は大きな変革期に突入しつつあります。また、電子書籍用途に限定されたものではありませんが、先月日本でも発売されたアップルのiPadは世界中で大ヒットとなっています。本調査では、電子ブックリーダーの認知度は53.3%、iPadの認知度は85.1%に達しています。また、それぞれの機器の購入意向では、電子ブックリーダーで13.2%、iPadで18.2%が「購入する予定である」や「興味がある」と回答しています。
また、将来的にこうした新たなプラットフォームにおける有料の電子書籍や電子新聞・電子雑誌などを購読する意向があるかどうかについては、すでに利用している人を含めて5.2%が「利用する」と回答、19.4%の人は「可能性がある」と回答しており、新たなプラットフォームに興味のある層は、合計24.6%となっています。購読したいジャンルは「新聞」が52.8%と高く、「趣味・実用・ガイド」「雑誌」「文芸小説」「コミック」と続いています。本格的なサービスが始まっていない段階ですが、関心の高さがうかがえます。
※調査時点では、iPadは米国のみで販売されており、日本では未発売です。
■GPSやWi-Fiなどによる位置情報サービスの利用率は49.0%、スマートフォン派では87.5%
動画共有サービスの利用率は21.6%となり昨年から1.3ポイント増加しています。また、ニコニコ生放送やUSTREAMなどユーザーからのライブでの放送が可能なサービスの利用者は6.1%です。閣僚の記者発表がライブで放送されるなどその利用用途は拡大しており、今後ユーザー数が増えていくものと見られます。
いわゆる位置ゲーやナビゲーション、AR(拡張現実感)など、GPSやWi-Fiによる位置情報を活用したサービスの利用率は49.0%です。特にスマートフォン派では87.5%と極めて高く、スマートフォンの拡大とともに関連ビジネスの成長も期待されます。
2010年3月にradiko.jpが公開され、パソコンがそのままラジオ受信機となる「IP(Internet Protocol)サイマルラジオ」の実用化試験配信が始まっています。現在の配信エリアは首都圏と関西に限定されていますが、認知度は28.3%、利用率は5.0%となっています。
<< 「インターネット利用動向調査2010」個人利用動向調査方法 >>
調査設計・分析 株式会社インプレスR&D インターネットメディア総合研究所
調査方法 インタラクティブウェブ調査(ネットリサーチ)
調査対象 自宅からインターネットを行っている13歳以上の個人
対象地域 全国
サンプリング NTTレゾナント株式会社gooリサーチの保有するアンケートパネルからの条件抽出によるメール配信、アンケートサイトへの誘導。
有効回答数 3293。サンプルは性年齢階層別自宅PCからの1週間当たりのインターネット利用時間別人口構成比(インプレスR&D推計値)に可能な限り整合するように抽出。
調査期間 2010年4月15日(木)~4月29日(木)
<< 企業利用動向 >>
■企業ウェブサイト担当者に聞いた企業のTwitter利用率は6.2%、目的は製品・サービスの広報が62.7%
消費者の間でも急速に拡大しているTwitterは、多くの企業においても利用されはじめています。今回の調査結果ではTwitterを利用している企業は6.2%となっています。利用目的は、「製品サービスの広報」(62.7%)、「企業の広報」(50.8%)、「キャンペーン」(47.5%)、「セールス情報」(45.8%)が中心です。また、アカウント名は、「企業名アカウント(担当者名非開示)」が37.2%で最も高く、「企業名アカウント(担当者名開示)」が22.9%で続いています。社長自ら個人名でTwitterを使いこなしている企業もみられますが、「個人名アカウント(企業名開示)」は3.8%にとどまっています。今後マーケティング/プロモーション手法として定着するか注目されます。
また、ウェブサイトにおいて「SNS」を開設している比率は9.3%(昨年は8.3%)、同じく「ブログ」は24.2%(昨年は22.1%)となっています。昨年と比較すると両者ともわずかであるが上昇しており、個人同様に再び上昇し始めています。
■SaaSの利用率は9.6%、認知度は8ポイント増の73.5%
近年、注目され続けているクラウドですが、SaaS(Software as a Service)/ASP(Application Service Provider)の認知度は、昨年から8.4ポイントと大幅に増加し73.5%となり、利用率も8.3%から9.6%へと上昇しています。SaaSの代表的なサービスとして取り上げられることの多いSalesforceの導入率は2.6%から3.7%へ、Google Appsの導入率は1.9%から2.6%へとそれぞれ上昇しています。また、利用意向のある企業も全体の9.5%から13.4%へと上昇しています。一方、パブリッククラウドやプライベートクラウドの認知度については、ともに58%にとどまっており、SaaSと比較して低い結果になっています。企業におけるクラウド系サービスは、ブレイクには至っていませんが、着実に拡大している状況がうかがえます。
<< 「インターネット利用動向調査2010」企業ウェブサイト動向調査方法 >>
■企業のウェブサイトに関する調査
調査設計・分析 株式会社インプレスR&D インターネットメディア総合研究所
調査方法 インタラクティブウェブ調査(ネットリサーチ)
調査対象 企業におけるウェブサイトの企画・運用・管理、およびオンラインマーケティング担当者
対象地域 全国
サンプリング NTTレゾナント株式会社gooリサーチの保有するアンケートパネルからの条件抽出によるメール配信、誘導。サンプルは業種別・雇用者規模別・雇用者数構成比(推計値)に可能な限り整合するように抽出。
最終有効回答数 1900
調査期間 2010年4月12日(月)~4月29日(木)
<< 「インターネット利用動向調査2010」企業利用動向調査方法 >>
■企業のネットワーク、情報インフラに関する調査概要
調査設計・分析 株式会社インプレスR&D インターネットメディア総合研究所
調査方法 インタラクティブウェブ調査(ネットリサーチ)
調査対象 企業におけるネットワークやそれに付随するソフトウェア・サービスの導入・管理・運用担当者
対象地域 全国
サンプリング NTTレゾナント株式会社gooリサーチの保有するアンケートパネルからの条件抽出によるメール配信、誘導。サンプルは業種別・雇用者規模別・雇用者数構成比(推計値)に可能な限り整合するように抽出。
有効回答数 2559
調査期間 2010年4月12日(月)~4月28日(水)
<< 調査結果収録・商品概要 >>
「インターネット白書2010」 概要
「インターネット白書」は、財団法人インターネット協会(東京都港区、理事長:矢野薫)監修のもと、インターネット利用動向調査の先駆けとして、1996年に第1回目を発行以来、今年で15回目を迎えます。