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ニュースリリース

『IPTV用の新標準「LIME」ハンドブック2010』を9/14(火)発売

 インプレスグループで法人向け情報コミュニケーション技術関連メディア事業を手がける株式会社インプレスR&D(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井芹昌信)のシンクタンク部門であるインターネットメディア総合研究所は、テレビ放送/映像配信サービス(IPTV)向けに、ITU-Tで標準化された『IPTV用の新標準「LIME」ハンドブック2010』を9月14日(火)に発売いたします。
 
 通信・放送の本格的な融合を背景に、日本のBMLをベースに拡張し、ITU-Tで策定された、IPTVサービス向けのマルチメディア記述言語である新国際標準「LIME」(ライム)が、いよいよ実用期を迎えたところから、世界の放送事業者や通信事業者、ケーブル事業者、家電メーカーなどから大きな注目を集めています。
 この新規格「LIME」は、ITU-T「H.762勧告」として2009年12月に策定されたが、その勧告名の正式名称は以下のとおり。
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「Lightweight interactive multimedia environment(LIME) for IPTV services」
(IPTVサービスのための軽量なインタラクティブ・マルチメディア環境)
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 これをわかりやすく言い換えると、IPTVサービスのための「マルチメディア記述言語」規格です。
 このLIMEは、
 (1)IPTVだけでなく、欧州のDVB方式や米国のATSC方式、日本のISDB方式などのデジタル放送方式にとらわれず、ハイブリッド(IPTV+デジタル放送)に使用できる可能性をもっていること
 (2)現在話題となっているHTML5との関連性も高いところから、 HTML5のサブセットとしても検討されていること
という2つの大きな特徴をもっています。このことから、国際的に「LIME」への関心が高まってきています。
 すでに、米国シスコシステムズ(Cisco Systems)や韓国TV Storm、ブラジルのPUC Rio(リオ・デ・ジャネイロにあるポンティフィカル・カトリック大学)をはじめ、日本からも住友電工、OKI、NEC、三菱電機、NTT等が参加して、スイス・ジュネーブのITU本部で第1回の‘Interop Event on IPTV’の相互接続試験が行われ、大きな成功をおさめるなど、国際的にも急速に関心が高まっています。
 本書は、各国で開発されている多くのLIMEのサンプルコードを収録した世界初のLIMEハンドブックです。
 
 具体的には、第1章ではLIMEができた背景を述べます。なじみの薄いMHEG(エムヘグ)という規格から始まり、BMLそしてLIMEへと至った道をたどります。マルチメディア・マークアップ言語(Multimedia Markup Language:MML)とテキスト・マークアップ言語(Text Markup Language:TML)とはどう違うのか、MHEGから始まるMMLの系譜などについて言及します。 
 第2章では、デジタル放送用のBMLとLIMEの違いを簡単に述べます。
 第3章は、LIMEの内容について、その構成要素(LIME-HTML、LIME-CSS、LIME-DOM、LIME-Script)に従って、例を挙げながら説明します。
 第4章では、ITUで勧告化が進んでいるLIMEと関係する他のH.76xシリーズの勧告文書について概説します。Ginga(ジンガ)-NCL(H.761)やLua(ルア) などを説明しています。
 第5章は、国内をはじめ世界各国のLIMEに対する取り組みと、さまざまなサンプルプログラムに基づいたLIMEコンテンツの例を見ていきます。
 第6章では、2010年7月にスイス・ジュネーブのITU本部で開催されたIPTV Interopイベント(IPTVの勧告の準拠性および相互接続性の試験)でのLIMEブラウザ実装やアプリケーションの試験の模様と、新しいHTML規格であるHTML5とLIMEとの協調の方向性と可能性について述べています。
 さらに、付属のCD-ROMにはLIMEのサンプルコードを同梱し、実際にLIMEコンテンツを作成できるようになっています。
 
 本書によって、IPTVのための新しいコンテンツの世界がより大きく切り拓かれ、技術とビジネスの両方のグローバルな観点から、今後のビジネスを見据えるためのヒントとなるレポートです。
 
<<調査報告書の製品形態、および販売に関するご案内>>
 
IPTV用の新標準「LIME」ハンドブック2010
[BMLを拡張しHTML5のサブセットを目指す汎用仕様]
 
川森雅仁(NTT サイバーソリューション研究所) 著
 
<<製品形態・販売価格一覧 >>
発売日  :2010年9月14日(火)(予約受付中)
価格     :CD(PDF)版 89,250円(税込)
          CD(PDF)+冊子版 99,750円(税込)
判型     :A4判
ページ数 :216ページ
詳細、ご予約は右よりご覧ください。 → http://r.impressrd.jp/iil/LIME2010
 
インプレスR&D インターネットメディア総合研究所の調査報告書は、お客様のご利用ニーズに合わせ、簡易製本の冊子版、CD(PDF)版をご用意しております。
 
≪目次≫
 
はじめに
 
第1章     IPTVサービス向けの新国際標準
=「LIME」登場の歴史的な背景=
1.1          LIMEの登場とMHEG-5/BMLの歴史的な相関関係
1.1.1       MHEG-5標準で仕様の作成を検討
1.1.2       MHEG-5コンテンツの構成
1.1.3       MHEG-5をベースにしつつB24規格を作成へ
1.1.4       MHEG-5とB24の関係
1.2          IPTV規格がHTMLではなく、BMLをベースにすることになった理由
1.2.1       LIME策定のきっかけはB24(ARIBが規定)
1.2.2       HTMLによるブラウザの問題点(その1): 2つのブラウザを比較する
1.2.3       HTMLによるブラウザの問題点(その2): 3つのブラウザを比較する
1.3          2006年に日本から「IPTV用BML」をITU-Tに提案
1.3.1       B24という制限の多い枠組みを採用した理由
1.3.2       LIMEの規格をB24ベースで策定することになった4つの理由
1.4          ブラジルが提案したLIMEという名称
1.4.1       BMLが何を指しているのか曖昧である!
1.4.2       名称「LIME」に決定:ブラジルの「PUC-Rio」大学が発案
1.4.3       B24:仕様が複雑で難解であった
1.5          LIME:B24を参照しながらも国際的にオープンでシンプルな標準に
 
第2章 B24からLIMEへの発展と両者の違い
     =汎用的なIPTVコンテンツ記述言語用のLIME=
2.1          B24への誤解と批判
2.1.1       オープンなWeb技術の国際標準HTMLと対比されたB24
2.1.2       「どれがBMLなのか」特定しにくい
2.1.3       世界で一番普及しているB24
2.2          B24(BML)とLIMEはどこが違うのか
2.2.1       ブラジルでのISDB採用と「GINGA-NCL」仕様の作成
2.2.2       LIMEを構成する4つのコンポーネント
2.2.3       LIMEは複数の規格に対応できる標準
2.3          冗長性と曖昧性の2つを解決したLIME
2.3.1       求められた表示画面の安定性
2.3.2       多様なブラウザの登場とコンテンツの安定的な表示
2.3.3       Webコンテンツ(HTML)の「BML化」への流れ
2.4          Webページ作成で推奨されるプラクティス
 
第3章 H.762勧告「LIME」のアーキテクチャ
=LIME-HTML/CSS/DOM/Script=
3.1          ITU-T H.762 - LIMEのアーキテクチャ
3.2          Ajaxの登場と非同期通信のインパクト
3.2.1       非同期通信と同期通信
3.2.2       AjaxによるGoogleマップ(非同期通信)のインパクト
3.2.3       デジタル放送におけるインタラクティブ・コンテンツの提供
3.2.4       Web(Ajax)の機能と放送(LIME)の機能の接近
3.3          スタティックなLIMEとダイナミックなLIME
3.4          <LIMEその1> LIME-HTML
3.4.1       LIME-HTMLのタグ
3.4.2       LIME-HTML(Simple XHTML)の詳細
3.4.3       LIME-HTMLのイベント
3.5          <LIMEその2> LIME-CSS
3.5.1       CSSによるスタイルの指定の仕方
3.5.2       LIME-CSSでの色指定
3.5.3       リモート・コントロール用の属性:フォーカスとナビゲーション
3.6          <LIMEその3>LIME-DOM
3.7          <LIMEその4>LIME-Script〔ECMAScript(ECMA262)〕
3.7.1       ECMAScriptのサブセット
3.7.2       LIME-Scriptが制限されている理由
3.7.3       LIME-Scriptの文法と基本オブジェクト
3.7.4       サーバと連携したLIMEコンテンツ
3.7.5       JSPを利用したLIME
 
第4章 H.760(MAFR)シリーズ勧告とその構成
=LIMEからGINGA-NCLまで=
4.1          ITU-T H.760シリーズ(MAFRシリーズ)勧告の構成
4.1.1       H.IPTV-MAFR.13(HTML for IPTV)
4.1.2       H.IPTV-MAFR.4(CSS for IPTV)
4.1.3       H.IPTV-MAFR.6(ECMAScript for IPTV)
4.1.4       H.IPTV-MAFR.5(DOM for IPTV)
4.1.5       H.IPTV-MAFR.14(Lua for IPTV)
4.1.6       H.IPTV-MAFR.10(SVG for IPTV)
4.1.7       H.IPTV-MAFR.8(MHEG-5 for IPTV)
4.2          H.761勧告:IPTV用Ginga(ジンガ)-NCL
4.2.1       GINGA-NCLはグルー言語
4.2.2       GINGA-NCLはデフォルトでLIMEを参照
4.3          モバイル端末向けのIPTVサービスにも対応するMAFRシリーズ
4.3.1       モバイル端末への実装を目指すLIME
4.3.2       Google TVとも相性がよいLIME(H.762)
 
第5章 世界各国のLIME(H.762)の取組みと LIMEコンテンツの具体例
=ウィジェット、e-Pubからブラウザまで=
5.1          世界各国のLIMEへの取り組みの現状
5.1.1       各国のLIMEの取り組み状況①:シンガポール
5.1.2       各国のLIMEの取り組み状況②:中国・韓国
5.1.3       各国のLIMEの取り組み状況③: 欧州におけるEBU、BBCのキャンバス構想
5.1.4       各国のLIMEの取り組み状況④:ブラジルなど南米8カ国等
5.1.5       各国のLIMEの取り組み状況⑤:米国のATIS-IIF等
5.1.6       各国のLIMEの取り組み状況⑥:日本のIPTVフォーラム
5.1.7       各国のLIMEの取り組み状況⑦:海外キャリア
5.2          LIMEコンテンツの具体例 =LIMEウィジェット、e-Pubからブラウザまで=
5.2.1       LIMEコンテンツ①:LIMEのウィジェットの例
5.2.2       LIMEコンテンツ②:「MYワインセレクション」の例
5.2.3       LIMEコンテンツ③:LIMEブラウザの例
5.2.4       LIMEコンテンツ④:e-Pub(電子出版)コンテンツの例
5.2.5       LIMEコンテンツ⑤:UGC(ユーザーが作成したコンテンツ)の例
 
第6章 LIMEに関するIPTV Interopイベントを実施
       =HTML5との共存・融合が期待されるLIME=
6.1          LIMEに関するIPTV Interopイベントの背景とその概要
6.2          IPTV Interopイベントにおける具体的な展示内容
6.3          LIME-CSS AcidTestとその表示結果の例
6.4          HTML5との共存・融合で相乗効果を目指すLIME
6.5          マルチメディア言語系(MML)とテキスト系言語(TML)の違い
6.6          ITUにおけるLIMEの標準化の課題と今後の展開
             
索引               
 
【株式会社インプレスR&D】 http://www.impressRD.jp/
インプレスR&Dは、Webビジネス関係者、ワイヤレスブロードバンド技術者、放送・通信融合およびデジタル家電関係者、ICTを活用するビジネスマンなど、インターネットテクノロジーを核としたあらゆる分野の革新をいち早くキャッチし、これからの産業・社会の発展を作り出す人々に向けて、クロスメディア事業を展開しています。
 
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